RADWIMPSの野田洋次郎さんが書く歌詞はとても魅力的です。
RADWIMPSが今でもファンを増やし続けている理由の一つに、野田さんにしか書けないような歌詞というのが挙げられると思います。
かくいう私も中学生~高校生の頃にRADWIMPSにドハマりし、今に至るまでずっと聞き続けております。
ハマったきっかけは友達がカラオケで歌っていた「有心論」で、「誰も端っこで泣かないようにと君は地球を丸くしたんだろう」の歌詞が衝撃的だったことを今でも覚えています。
それからというもの、LIVEがあれば必ずと言っていいほど参戦しており、今まで行ったライブの数は15回を越えています。
そんなファン歴十余年の私は、野田さんの書く歌詞に感銘を受けてきました。
そこで本記事では、ファン歴十余年の私が素晴らしい歌詞の中から厳選した10個(人生編)をご紹介したいと思います。
10位 IKIJIBIKI
数十年やそこいらで 何知った気になってんだい?
未開拓で未開発の 自分が何万といんじゃない?
IKIJIBIKIより
「生き字引」というのは、一言でいうと博識な人のことです。
「字引」というのは辞書のことを指し、「生き字引=生きた辞書」、すなわち何でも知っている人のことを言います。
要するに、一般的にはプラスの意味で使用される言葉となります。
しかし、野田さんはこれを逆手にとって、「自分で自分のことなんてよくわかってるよ」という人に向けて、あえてこの歌詞を投げかけているのではないかと思ったわけです。(あくまで私の解釈です)
数十年生きてきて、自分のことをわかっているつもりになっている人、また自分の限界や興味の範囲を限定している人に対して、その可能性はまだまだ無限大であるということを言いたいのではないかと思いました。
私もこの歌詞のように、自分のことを知った気になって、食わず嫌いしてしまったり、自分はこれくらいでいいや、と思ってしまうことが多いです。
しかし、そんな時にこの歌詞を思い出すと、自分で範囲を限定してしまうことは勿体ないことだな、と思うのです。
9位 ヒキコモリロリン
君が生きてる今が この瞬間が 「嘘です 夢です 本当は君死んでます」って
言われたそんな時も 笑えるよう こんな幸せやっぱり夢だったのかぁって
ヒキコモリロリンより
この曲、前半はずーっとふざけたことを言っています。(誉め言葉です)
もちろん前半部分のその軽快な言葉遊びやメロディーも好きです。
しかし後半、曲調が変化した後は、打って変わってとてもいいことを言っております。
特に、上で挙げた歌詞は、シンプルに毎日を悔いなく生きようと思えます。
「こんな幸せやっぱり夢だったのかぁ」って言える今を過ごせているか、自分に問いかけたくなる1曲です。
8位 ドリーマーズ・ハイ
生きたりない まだわからない でも諦めないとそう誓ったんだ
使い捨てのやつとは違う方の 近い近い誓い
ドリーマーズ・ハイより
まず「ドリーマーズ・ハイ」というタイトルに衝撃を覚えました。
これは「ランナーズ・ハイ」という言葉をもとに作られた造語であると思います。
「ランナーズ・ハイ」というのは、マラソンなどで長距離を走っている時、最初はきついのですが、ある時点を境に途中から、「いつまでも走れるんじゃないか」というような気がしてくるあの多幸感のことを言います。
それを、夢を追っている最中の人に例えて「ドリーマーズ・ハイ」と名付けたのだと思います。
夢を追うことは、最初は辛いことや厳しいこともあるけれど、途中からそれが当たり前になり、ある時点からどこまででもいける感覚になる、ということをこのタイトルで伝えたかったのだと推測しております。
そのようなタイトルから、ラスサビのこの歌詞です。
タイトルと合わせてこの歌詞をみると、私は鳥肌が立ってきます。
目標や夢を達成するためにはまだ「生きたりない」、「まだわからない」、「でも諦めない」
その夢は使い捨て、一度きりじゃない、目の前の近くにある「誓い」という意味だと解釈してます。
7位 アイアンバイブル
昨日の僕にさ 風邪をひかせた雨が
巡り巡って誰かの涙 洗い流してたらいいな
アイアンバイブルより
この歌詞を一言でいうならば、「ポジティブな発想の転換」です。
何か嫌なことがあった時、それを他人のせいにしたり、すぐに怒り出す人は多いと思います。
しかし、私はそんな時に一度見方を変えてほしいと思うわけです。
私は「人間万事塞翁が馬」「禍福は糾える縄の如し」という言葉が好きです。
両方とも「人生の幸せや不幸は予測できないもの」という意味の言葉です。
「塞翁が馬」というのは故事成語で、簡単にその言葉の由来を紹介します。
老人が馬を飼っていて、その馬がある日逃げ出してしまいました。
人々がそれを慰めに行くと、老人は「これは幸いになるだろう」と言いました。
数か月後、逃げた馬は立派な馬を連れて帰ってきました。
人々がお祝いに行くと、老人は今度は逆に「これは災いになるだろう」と言いました。
老人の息子がその連れて帰ってきた馬に乗っていると、落馬して足を骨折してしまいました。
人々がお見舞いに行くと老人は「これは幸いになるだろう」と言いました。
隣国との戦いが発生した際、息子は怪我をしていたために兵役を免れることができました。
一見幸せであることが災いになったり、その逆も然りということです。
アイアンバイブルの歌詞も、「人間万事塞翁が馬」の故事成語も、何か良くない事象が起こった際に、その事象によって救われることや幸せなこともあるという、発想の転換が出来るような余裕を持った人になりたいと思わせてくれます。
6位 DUGOUT
何言われようが その手その脚縛られようが
その脚が向いた方がいつ何時だって前に何だ
前倣えって言われようが 気づいたらばビリになっていようが
後ろ振り返ってみりゃ ほら 先頭にブッチギって立ってるんだ
DUGOUTより
野田さんはこういう頭の切り替えが得意ですよね。
いろんなことを言われて、みんなと違う方向を向いていたって、「自分の足が向いた方が正面だ」という、当たり前で当たり前でないことをはっきりと言い切ってくれています。
5位 おっぱい
自分の個性に自信を持てよ そうすりゃ自分好きになれる
姿形よりも自分って人間を 磨いて光る美しさを
おっぱいより
この曲は絶えずふざけたことを言っているようで、こんなちょっとしたまじめな歌詞も出てきます。
(歌詞の最後は完全にふざけてます)
自分のどこかにコンプレックスを持っている人も多いかと思います。
しかし、この曲はそんなコンプレックスも個性の一つであり、自信をもって自分を愛することの重要性を歌っております。
最近では、時代の流れ的にも、自分のコンプレックスが武器になる、ということに気づき始めた人も多いのではないでしょうか。
昔よりも働き方や発信の方法が多様化してきました。
人と話すことが苦手な人は私のようにブログを通して発信することもできます。
また、コンプレックスをさらけ出すことで、同じような悩みを抱える人に向けて仲間がいると伝えることは、救いにもなります。
今の時代、自分の苦手なことや嫌いなことを正直にさらけ出すことで、逆にそれが一つの武器になると思うのです。
4位 DADA
生きてる間すべて遠回り すべて大回り なのにそれなのに
近道探してみて 小回り お巡りに見つからないようにばかり
(中略)
生まれた時すなわちそれが入り口 あとは誰しもが死ぬ時が出口
生きてることそれこそ回り道 長い暇つぶし そのものが命
DADAより
この曲一番のパワーワードは「生きてることそれこそ回り道 長い暇つぶし そのものが命」です。
人生をこのように捉えると、もっとのんびり生きてもいいのではないか、好きなことややりたいことを好きなようにやったらいいのではないか、と思えます。
最短経路を突き進むのも素晴らしいことですが、その道中を楽しむ余裕というものを持ちたいと思わされます。
いつもと違うことにチャレンジしてみる勇気が出ない時に、私はこの曲を思い出します。
3位 G行為
成功者がよく語るじゃない 下積み自慢げに話すじゃない
君にとって今がその時なんじゃない? そうじゃない? きっとそうなんじゃない?パないじゃない? そうだったらヤバイじゃない 今が美談になんじゃない
今が辛いほどいいんじゃない? おいしんじゃない? 「じゃない」が多くない?
G行為より
G行為というタイトル通り、下ネタ多めの曲になっております。
最初タイトルを聞いたときは、それで1曲作れるの?と思いました。
また、実際に曲を聞いてみても、正直最初はすんなりと受け入れることができず、そこまで好きになれなかった曲の一つでした。
しかし、何度も聞いているうちにじわりじわりとその良さを感じるようになり、歌詞をちゃんと見てみると、意外とと言っては失礼ですが、良いこと言ってるなと思うようになりました。
最も印象に残るのは「今が辛いほどいいんじゃない?」という歌詞です。
単純にその逆転の発想できるのは強いなと思いました。
辛いときはどうしても思考がネガティブになり、楽しいことを考えられなくなりがちです。
特に私もメンタルが弱いので、上向きになかなかなれません。
そんな時にこの歌詞を思い出すと、「この状況美味しい!」という発想の転換をしようと思えます。
何かを成し遂げるため、その先にあるものを見据えて、今辛い状況を楽しむことが出来るようになりました。
2位 会心の一撃
近頃いつ僕は僕のことを 驚かせてやってあげたかな
逃げられてしまう前に早いとこ 一生お前についていくって言わせてやる
会心の一撃より
この歌詞にはドキッとさせられます。
特に、社会人になった今、学生の頃よりこの歌詞が響きます。
年を重ねるにつれて、新しいことに挑戦するのが億劫になり、また臆病になっていくように感じます。
そんな時にこの歌詞を聞くと、そんな人生でいいのか、という気持ちにさせられます。
新しい何かに挑戦するのは怖いけれど、自分で自分が驚くようなことをするためには挑戦し続けるしか方法はありません。
挑戦し続けるモチベーションを保つことは大変ですが、毎日少しずつ努力を継続していって、気づいたら最初では考えられなかった遥か先にいる、というのが私の理想です。
この曲字体アップテンポでかなり元気の出る曲のため、定期的に聞く1曲です。
1位 億万笑者
明日に希望を持った者だけに 絶望があるんだ
何かを信じた者だけに 裏切りはあるんだ
勇者だけに与えられた 名誉の負傷とでも言うのかそれにしてはずいぶんと 割に合わないな
手にしたいものがない者に 眠れぬ夜はないんだ守りたいものがない者に この怖れなどないんだ
億万笑者より
1位はこれしかないです。
迷わずこの曲とこの歌詞を選びました。
例えば仕事で何か嫌なことがあった時、もしくはこれから嫌なことが待ち受けている時。
不安でなかなか眠れない時。
そんな時にこの歌詞をよく思い出します。
この嫌な思いは、何かやりたいことがあるからこその気持ちなのだと。
この不安は、何かを乗り越えるために挑戦している証なのだと。
そう思うことによって、嫌な気持ちや不安をポジティブな思考に帰ることが出来ます。
また、この曲は個人的にも思い入れの強い曲というのもあります。
人生で2回目に行った「絶対延命ツアー」で一番最初に演奏された曲がこの「億万笑者」でした。
DADAがオープニングアクトになると踏んでいた私にとっては衝撃で、その時からこの曲が一段と好きになった記憶があります。
それ以降のライブではこの曲が演奏されていないことがとても悲しいですが、逆に億万長者を名前で聞くことが出来た唯一の貴重なライブになったようにも思えます。
まとめ
以上、RADWIMPSファンの私が感銘を受けた歌詞中の名言トップ10(人生編)をお送りしました。
昔から現在に至るまで、野田さんの歌詞に共通していることは「今」を大事に生きることへのメッセージだと、私は勝手に捉えております。
何かの本で「Now」+「Here」=「Nowhere」すなわち、「今とここはどこにもない」という言葉を読んだことがあります。
今とここを大切にすることが、人生を良くする唯一の方法なのではないでしょうか。
それではまた!
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